ー 閑話休題:2 ー
バーのようなお洒落な部屋でマシューによって夕飯が振る舞われ、一日目は終了となった。明日は朝から稼働するため、ダニエルは夕飯後の作業はせずに全員を早々に休ませる判断をした。
そして、ベッドの中、微睡み、……────
ジョンはチーム:フォートレスの中でも殊更「音」というものに敏感だった。それは私も同じかもしれない。だって2人ともほとんど同時に目を開けたと思うから。
ギシリ、と木がたわむ音。
確かな重量を感じさせる音が数秒間隔で反復している。「なに」、と問いかける私の声はかすれて、ほとんど音になっていないが、ジョンは静かに一言だけこう言った。
「人間が吊るされてる音」
寝返りをうって向かい合う。ジョンの指が目にかかりそうな私の前髪をかきあげる。
毛布を二重にしていても、やはり暖房の無い部屋は寒い。ジョンにすり寄ると、抱きしめて頭を撫でられた。
「縄、天井の梁……ホールの吹き抜けの」
寝る前の幼子に語り聞かせるようなリズムと静けさなのに、紡がれる言葉は寝物語とかけ離れていて、それがなんだか可笑しかった。そして、私はそのまま暖かく眠りの中に落ちて行った。
